おはようございます。蔵之介です。
今回は「キャバ嬢の時給はどうやって決まるのか」
というテーマについて、都心で約10年黒服を経験した筆者が解説したいと思います。
- キャバ嬢をやってみたいけど、時給はいくらぐらいもらえるものなの?
- どうやったら時給を上げることができるの?
そんな疑問を持っている方は、この記事を読めば
- キャバ嬢の時給の決まり方
- 実は時給ではない給料システムもある
といったことが理解できると思います。
よかったら参考にしてみてください。
キャバ嬢の時給は大きく分けると二つの要素で決まる
キャバ嬢の時給は、指名本数か売上額のどちらかで決まります。
指名本数スライド、売上スライドという呼び方が一般的かと思います。
スライド、というのは本数や売上によって毎月時給が変動するのでこのような名前がついています。
指名本数スライドなら指名本数に応じて、売上スライドなら売上額に応じてそのお店の規定に従って時給が毎月決まります。
例えば、指名本数スライドなら月間で指名本数20本なら時給5,000円、30本なら時給6,000円、40本なら時給7,000円みたいな感じです。(これはあくまでも例えですよ)
売上スライドなら月間売上額が70万なら時給5,000円、85万なら時給6,000円、100万なら時給7,000円、みたいな感じです。(これも例えですよ)
ちなみに、お店によってはポイントスライドというシステムのお店もあります。
これは指名本数1本につき2ポイント、場内指名1組につき1ポイント、同伴1組につき3ポイント、みたいな感じでその店の規定に従ってポイントに換算し、月間合計ポイントで時給が決まるというようなシステムです。
結局のところ指名本数スライドと似たようなものです。
指名本数スライドと売上スライドは似ているようで、違います。
この2つのどちらを選んだ方がいいかはキャストさんのタイプによって変わります。
指名本数スライドと売上スライドのどっちを選ぶべき?
時給についてはこれぐらいです。
週の出勤日数や勤務時間という要素も時給に関連してくるので、面接時に確認が必要です。
給率(きゅうりつ)という考え方
指名本数スライド、売上スライドのどちらもそうですが、だいたい何を基準に決められているのでしょうか。
具体的に言うと、指名本数20本なら時給5,000円だとか、売上が100万なら時給7,000円だとかはどういう根拠でお店ごとに決めているのでしょうか。
これは給率というものを考慮して決められていることが多いです。
給率というものを考慮した上で、本数や売上に見合った適正な時給をお店ごとに算出しているのです。
ここからはちょっとややこしい話なので、詳しく知りたい人だけ読んでください。
給率というのは、自分のつくった売上額のうち自分の給料が占める割合のことです。
ちょっと言葉で書くと「は?」っていう感じなので、具体例を用いて説明します。
例えば、Aさんというキャバ嬢が月間売上を100万円つくったとします。
この場合、50万円をAさんの月収にし、残りの50万円をお店の利益とするのがキャバクラにおける適正な配分となります。
適正な配分とは、これくらいの取り分の比率にしておけばお店を健全に経営することができる、という意味です。
ちょうど売上をキャストとお店とで折半するという感じです。
この場合のAさんの給率は、売上額100万円のうち月収は50万円なので
50万円÷100万円=0.5
これをパーセントに換算すると50%です。
と言うことで、Aさんの給率は50%ということです。
そして適正なAさんの月収が50万円であり、Aさんが月間70時間勤務していたとしたら、 Aさんの適正な時給は
50万円÷70時間=7,142円
だいたい時給7,000円前後がAさんの適正時給だと逆算できるわけです。
実際にはお店ごとにすでに決まったシステムがあるので、普段こんなふうに逆算をして適正時給を計算することはありませんが、給料システムはこういう計算結果をもとにして作られています。
システムに従って時給は決まりますが、それによって実は給率が適正水準に収まるようになっているのです。本数スライドも売上スライドも両方とも、給率がだいたい正常値になるように作られています。
余談ですが、数年前にどこかの芸能事務所が、タレントと会社の取り分の比率が1:9だとかでタレントがかわいそうだと報道されていました。(本当かは分かりませんが)
この話と給率の話は全く同じです。
もし取り分の比率が1:9なら、100万円売上をつくっても10万円しか給料はもらえない、ということになります。残りの90万円は会社が持っていってしまうということです。
給率で言うと10%です。これではたしかに、タレントさんがかわいそうですね。
キャバクラにおける適正給率は50%前後
一般的にキャバクラというビジネスモデルでは、給率50%前後が適正だとされています。
(自分のいたお店はそうでした。店によって少しずつ違いはあります。)
給率が50%なら、キャバ嬢の取り分50、お店の取り分も50。要するに1:1となります。
この比率が崩れ、給率80%とかのキャストさんばかりになってしまうと、お店の経営が悪化し、赤字店舗となり、いずれ潰れます。
これも具体的に説明してみます。
例えば、Bさんというキャバ嬢は月間80時間勤務し、月間売上50万円だったとします。
この状態で、Bさんは時給6,000円欲しいと言ってきたとします。
この場合、Bさんの月収は6,000×80時間で48万円となります。
ですが、月間売上が50万円なので売上に対する給料の割合は、
48万円÷50万円=0.96となります。
これをパーセントに換算すると96%です。
つまり、Bさんの給率は96%ということです。
適正給率である50%から大きく離れています。
言い方を変えれば、Bさんの取り分が48万円でお店の取り分が2万円ということになります。
これはあきらかにBさんが取りすぎです。
こんなキャストが増えていくと、お店は大赤字です。
お店には店舗の賃貸費用や仲介業者さんへの支払い、備品代、光熱費代、酒代、食材費、など人件費以外にも費用がたくさんかかるからです。
指名本数スライド、売上スライドのどちらでやっていようと、Bさんはこの成績では時給6,000円はもらえないです。
このような異常な給率にならないように、スライドの基準はあらかじめ決められています。
キャバ嬢には時給ではない働き方も存在する
ここまでは時給の決まり方に関して書いてきましたが、キャバクラには時給で働いていないキャストさんが一定数います。
これは、完全売上制という給料システムです。
これはとても分かりやすい給料システムで、月間の売上額のうち○%がキャストの給料になる、という給料システムです。
この○%は、お店との契約によって色々ですが、一般的には40%〜60%ぐらいです。
例えば、Cさんはお店と50%の完全売上制で契約しており、月間売上400万円つくったとします。
この場合、Cさんの月収は
400万円×0.5=200万円
ということになります。
ここで先程説明した給率の話を思い出して欲しいのですが、50%が適正給率だと説明しました。
そして、この完全売上制は要するに適正給率と同じぐらいの比率でキャストさんに給料を支払う、ということなのです。
このシステムを選んだ方がいいキャストさんというのは、顧客組数をたくさん抱えていて、それで且つ高単価なお客様が多いという、超売れっ子キャバ嬢です。
このシステムは時給ではないので、何時間勤務したとかは一切関係ありません。
月間でいくらの売上をつくったのか、それだけで評価されます。
売れっ子キャバ嬢は時間に関係なく、また、売上を作りまくれば時給では到底到達できない収入を得ることができるシステムなのです。
ですが、時給という働き方ではないので、もし売上をあまりつくることができなければどれだけ勤務していたとしても給料は無いに等しくなってしまうリスクもあります。
そのため、このシステムはそもそも一部の超売れっ子キャストしか選択できないシステムになっていることが多いです。
まとめ
- キャバ嬢の時給は、指名本数か売上のどちらかで決まります。
- 完全売上制という時給ではないシステムもあります。
- それぞれにメリット、デメリットがあるので、どのシステムを使うのが自分にとって一番良いのかをお店の黒服と相談してください。
後書き
今回は知っているようで知らない人も多いのでは?というキャバ嬢の給料事情について書いてみました。
特に給率に関する考え方は長いことキャバ嬢をやっていても知らない人も多いのではないかと思います。
実際、そんなに詳しく知っている必要もないのですが、知っといて損もないかと思います。
もし給率の話がいまいちよく分からなかった、という方は特に深追いして知る必要もないので、気にしないでください。
キャバ嬢として時給なり収入を上げようと思ったら、たくさん客呼びするかたくさん売上をつくるか、またはその両方を頑張るしかない、という単純なことさえ分かっていれば大丈夫です。
※このブログ記事は筆者の10年近くの黒服経験をベースに書いており、都心のキャバクラでの経験を元にしています。地域によっては少し異なるかもしれません。
ですが、キャバクラは基本どこも似たりよったりだと思います。